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筑波大学医学部 数学2017前期 

 

​出題数

 

数Ⅱから2題、数Bから1題、数Ⅲから3題の出題。

数Ⅱ、数Bは必ず解答し、数Ⅲは2題を選択解答です。

すべて他学類(他学部)との共通問題です。

第1問 必須

単元:図形と方程式、相加相乗平均

小問:3つ

第2問 必須

単元:数Ⅱ微分、関数の決定

小問:2つ

第3問 必須

単元:漸化式、整数

小問:3つ

第4問 選択

単元:数Ⅲ微分積分

小問:3つ

第5問 選択

単元:総合(三角関数、ガウス記号、格子点、極限、区分求積)

小問:3つ

第6問 選択

単元:複素数平面

小問:3つ

 

全体の難易度

 

基本レベルから発展レベルまで混在します。

数Ⅲでどの問題を選択するかは悩ましいところです。

第3問は見通しが立てやすいですが計算は少々面倒くさいです。第4問、第5問の難易度は甲乙つけがたいので、どちらを選ぶかは得意不得意でよいかと思います。

 

目標得点率

センター試験配点 900点

2次試験配点   1100点(うち面接点が200点)

2017年度合格最低点が 1647/2000

ボーダー88%なのでセンターで792点をとっていると仮定します。

2次での必要点数が

1647-792=855

ですから

855/1100=0.7772・・・

2次試験で78%以上必要です。

試験時間は120分に対して、分量はやや多いかもしれません。

普段から時間を測っての演習を積んでいれば、ちょうどいい時間です。

 

答え

方針

 

第1問

(1)連立方程式を解くだけですね。

(2)ABの傾きと中点を出せば終わりですね。

(3)ルートの中に変数をまとめて無理関数を解消しましょう。

結果として、分数関数の最大最小ですが、数Ⅲ範囲の出題でないことは分かっていますから、相加相乗平均を使うことは確かです。

等号成立するときを求めて終わりです。

 

<まとめ>

特に悩むところはないでしょう。

青チャートをしっかり練習していれば対応できますが、

融合問題に慣れるための入試問題演習は積んでおくべきかもしれません。

ここはなるべく時間をかけずに終えたいですね。

 

 

 

題2問

(1)条件がたくさんありますので、どういう順番で使うか悩む人もいるかもしれません。

まずはβ、-βで極値をとることから、a=0とb=ー3β^2がでてきます。

次にf(-1)=f(β)=-mを使うと、β=1/2、c=1/4-mが出てきます。

ここで端点と極値がともに-mをとる。

というように図形的な解釈もしておきたいところです。

図形的な解釈を続ければ、f(β)=-f(-β)が成り立つので、

原点に関して対称と判断し、f(0)=0としてもよいかと思います。

 

(2)h(x)は2次関数または1次関数または定数です。

誘導にある通り進めると、h(-1)≦0、h(1)≧0、h(β)≦0、h(ーβ)≧0です。

連立不等式を解くと、p≧0かつp≦0のように出てくるので決定できます。

結果、h(x)=0となります。

この問題を演習する意義を高めるために図形的な解釈でもアプローチしてみましょう。

もしもh(-1)≠0、h(1)≠0、h(β)≠0、h(ーβ)≠0とすると、

y=h(x)は少なくともx軸と3回共有点を持つこととなります。

2次関数または1次関数でそのようなグラフを描くことは不可能ですね。

 

<まとめ>

この問題のように、グラフの決定において共有点の個数に注目した問題は希に出題されますので、この設定を頭の片隅に入れておきましょう。

誘導が丁寧ですので、言われたとおりに進めればとくにひっかかることなく完答できるでしょう。

 

 

 

題3問

(1)漸化式ごついですね。しかし、問題文にanの階差数列bnをわざわざ用意してくれているのでbnの漸化式に変形できるはずです。

まずはb(n+1)=から始めてみましょう。やはりbnの漸化式がうまく出来上がります。

n≧2においては漸化式からbn≧0が言えます。b1だけ具体的にチェックしましょう。

 

(2)bnに指数がついていますので、漸化式の両辺に底を3とする対数をとることで、bnの一般項をもとめることができます。

しかし一般項を求めろと言われていませんので、一般項をもとめる必要はなさそうです。

※すべて解き終えてから一般項を求めましたので、参考のために後述の答えに載せておきます。※

言われたとおりに帰納法を使えば、とくにひっかかることもなく終えられると思います。

 

(3)bnはanの階差数列です。となり同士の項の差です。

となり同士の差といえば、「和」ですよね!! 

bnの初項から第2016項までの和をとることで、anの第2017項と初項の差が出来上がります。

このことを使って、答えを出します。

以下、10を法とします。

b1+b2+・・・・・b2016

≡2+2+2+・・・・+2

≡2×2016

≡4032

≡2

つまり

a2017ーa1≡2

a2017≡a1+2≡3

 

<まとめ>

誘導が丁寧ですので、言われたとおりに素直に進めればすぐに終わります。

合同式がよくわからないから、放置しているという子がたまにいます。

たしかに合同式を使わずとも、大抵の問題は別の方法で答えが出せます。

しかし、合同式を使えると記述が非常に楽です。

ぜひ使えるようになりましょうね。

 

 

 

 

題4問

(1)相反(そうはん)方程式です。あいはん方程式ではないですよ。

2次と-2次の係数が一致しています。同時に1次と-1次が一致しています。

t=x+(1/x)と置きましょう。

有名な方程式ですから、必ずパターン暗記しておきましょう。

またxは正と言われてますから置換する時に相加相乗平均を使って、新しい変数にその条件を継承させることを忘れないでくださいね。

ちなみにxが実数全体であれば、x<0のときにはーxが正となりますので、やはり相加相乗平均を使ってtの最大値を出せますね。

xが複素数(実数でも虚数でもよい)であれば、とくに条件はありません。

 

(2)やるべきことはシンプルですが、計算が面倒くさいですね。

無理数や虚数の◯乗という計算は、次数下げですね。

(1)で変形した形を使いましょう。

また、極値をとるx座標のうちで1ではない他の2つの値をαとすると、

4α^2ー9α+4=0が成り立ちますので、1次と-1次の関係式が作れます。

α+(1/α)=α+(9/4)-α=9/4

となります。なるべく楽して、計算ミスがないようにしましょう。

 

(3)(1)(2)からグラフの様子がわかります。あとは普通の積分計算です。

考え方に難しいことはありません。がんばりましょう。

 

<まとめ>

青チャートなどでしっかりと問題パターンを網羅的に勉強していれば、完答できる問題です。

計算練習をしっかりしておきましょう。

 

 

 

 

題5問

(2)格子点はまず縦か横できって個数を数える。それの和をとる。

基本ですね。今回は縦横どちらで切ってもいいでしょう。

縦(x=n)できってあげると、n+1個です。

 

(3)ガウス記号は計算しにくいので、その極限を直接求めることは難しいです。ガウス記号の扱いはだいたい不等式です。

x-1<[x]≦x

と不等式がつくれるので、はさみうちの原理によって極限をもとめることになります。

x-1<[x]≦x

の両端の極限を頑張ってもとめて下さい。

また極限の計算では、式がごちゃごちゃしたままで考えると見当がつきにくいですので、不定形になっている箇所だけに注目して下さいね。

ひとつずつ不定形を解消していき、残った部分だけを見るとTHE区分求積の形が残ります。

 

<まとめ>

(1)(2)は瞬殺です。

(3)はガウス記号の扱いに慣れていなくて、どうしていいかわからなくなってしまった人も多いでしょう。

また最後に区分求積が待ち構えていることもあり、多くの分野が入り込んでいる問題となっています。よって、発展レベルと判断しました。

 

 

 

 

題6問

(1)P1、P2、P5についての条件について述べているものは(Ⅰ)の条件です。

変形することによって、線分P1P5を-90°回転してtana倍すると線分P1P2になることが分かります。

 

(2)五角形の形状をとらえなければなりません。

(1)から得られる図形的な情報は、P2P5が単位円の直径になっている(半円の弧に対する円周角が90°)ことと、∠P1P5P2=aということです。これで三角形P1P2P5の面積は求められます。

つぎに条件(Ⅱ)をつかって、P2、P3、P4の関係をとらえていきます。

解と係数の関係(和の方)を使うと、

w3ーw4=(w2-0)×(ルート3)

となりますから、OP2とP3P4は平行で、長さの比が1:ルート3です。

OP2の長さは1ですので、P3P4の長さはルート3です。

平行という条件から、四角形P2P3P4P5は等脚台形であると分かります。

 

(3)そのままRの2乗の計算をやればとんでもないことになります。

まずはどう計算を楽にできるかから考えていきましょう。

P2P5は直径ですので、w2=-w5ですね。これで、w1とw3とw4だけが残ります。

ここで少し工夫します。

条件(Ⅰ)(Ⅱ)や単位円上に存在するという条件は、Pnどうしの相対的な位置関係を決定するものなので、どれか一点を固定してしまっても一般性を失いません。よって、例えばP2をiとしてしまうと計算が非常にカンタンになります。

すると、∠P3Op4=120°なので、w3+w4は単位円上かつx軸上にあることがわかります。

w3+w4=-1となり、R=|w1-1|となりました。

あとは、w1を極形式で表して計算あるのみです。

 

<まとめ>

(1)は見た目はわかりづらいような気もしますが、どの条件を使えば良いのかさほど迷わないかと思いましたので、教科書例題レベルといえるでしょう。

(2)は(1)でヒントをくれているので、その延長線上で考えれば、到達することは難しくないでしょう。

ただし、平面図形をなめていた人には気づきにくかったかもしれませんね。

新課程ではセンター試験の数学IAのAが選択になり、図形の性質の勉強をおろそかにしている人が増えました。

しかし、入試問題では図形的な解釈が上手な人ほどカンタンに解ける問題が山ほどあります。

図形はちょっとやそっと知識を入れただけではなかなか道具として使えるようになりません。

実際に問題を解いてみて、知識を使う経験を蓄えていかないと入試で恩恵を得られません。

長い時間かけて演習して下さいね。

数Aの図形問題をたくさん演習するだけでも効果があります。

(3)も複素数平面の扱いに慣れていなければ、なかなか図形的解釈まで及ばないので、思考力を問う問題と言えます。